『ゲゲゲの鬼太郎』 第三部 感想
 ここでは、1985年から放送された水木しげる原作「ゲゲゲの鬼太郎」のDVDの感想を趣味の視点で書いています。
 時々ネタバレしますので、未見の方はご注意ください。
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   第55話 マル秘指令!!ねずみ男は死刑だ 

 マル秘? 親父がぺらぺらしゃべってた気がしますが;。
 悪行三昧のねずみ男に、閻魔大王がくだした判決は死刑。それも執行人は鬼太郎! 苦悩する鬼太郎、離れた所でそっと見守る親父。 彼ら父子も距離をおくことがあるんですね。ちょっと意外に思った。
 ストーリーからはなれまして、今回注目したいのが砂かけ婆の発言。ねずみ男の豪邸に入った砂かけ婆が、突然バッバッと砂をまきだし、 「じゅうたんを見てたら竹やぶを思い出してのぅ 」のこの一言……えぇっ、それは条件反射!?  本来自分が出現するべき場所を見ると、無意識に砂をかけだしてしまう・・・そうだったらいいのに!(笑)
 砂かけ婆とは、めったに人の通らない寂しい森や神社の傍らを通る時に、木の上からぱらぱらと砂がふってくるという怪異です。姿が見えないのに何をもって婆とするのか追求してみたいところですが、 松の木の下に出たという話もあるそう。アニメで出た「竹やぶ」という言葉は、水木画からきた影響が大きいのではないかと。


   第54話 悪魔ベリアル 

 悪魔の知識は全くないのでよくわかりませんが。とりあえず力を失ったべリアルはファウスト博士にしか見えなかった。 エロイムエッサイムときたら、はい、我は求め訴えたり。魔方陣にどきどきしてしまうのは「悪魔くん」ファンだから。
 映像を見てハッと記憶がよみがえったのですが、これも昔見たことある!  インパクト強すぎて忘れてたよ(子供心に忘れたかったのかもしれない)。体を分解して攻撃って・・・あーいうのじゃない気がする(−−;)  巨大なだんごみたいなのに鼻がいっぱいついてたり、足がいっぱいついてたり、それぞれが攻撃してくる訳ですよ(うなされそう;)
 行ってみたいな妖怪図書館。管理人の水本サンが気になります。


   第53話 皿屋敷の妖怪モウリョウ 

 幽霊と妖怪・・・、切っても切れない関連性がそこにはあるのでしょうが。私はどうにも別ものとして考えてしまいがち。
 頭の堅い厳格な父親(ユメパパ似)に以前雇われていた若く美しい女性マチコさん。貴重な皿コレクションを割ってしまい、未練を残してそのまま・・・。 大変アクティブな「幽霊」でした(モウリョウが入っている)。白い着物のすそを手で颯爽と翻し、墓石の上を飛んだり跳ねたり、イメージ変わります・・・。
 魍魎とは、墓を暴いて肝をくらう恐ろしい妖怪です。土葬という日本の昔ながらの習慣の上にある妖怪ですね。 現代の生活習慣の変化とともに、滅びゆく妖怪のひとつなのかと、考えたりします。


   第52話 燃えるねずみ男 げた合戦 

 途中で一回、『赤い靴』 『金のガチョウ』(西洋童話)はさみましたね^^;?
 単に金儲けをしたかったねずみ男をだまして、丸毛入りの招き猫貯金箱を売りさばかせた、能面のようなマスク の怪人の正体は逆柱。という予想のつかない展開。鬼太郎のリモコン下駄と自分から作った下駄をすりかえるのです。 げた合戦って、下駄 vs 下駄、のことだったのか・・・?(汗)
 昔のように床の間で大切にされたかったためにお金がほしかったという逆柱の動機。本来の逆柱を考えると、ん?と思いますが、気にすまい。 いつかの時代を取り戻そうとする妖怪の思いはいつでも切ない。
 ところで、無心にねずみ男を信じ、鬼太郎に「ハナコさんは純情だなぁ」といわしめた、花の精 ハナコさんが 新手の妖怪 にしか見えなかったのは私だけだろうか・・・。 アナタノ額ニアルノハ角デスカ??


   第51話 世界妖怪ラリー 

 この話も覚えてる〜〜。なぜ世界の妖怪が車でレースなのか?? もうよくわかりません^^;。
 冒頭で、各国代表の総勢たるメンバーに、いちいち すさまじいリアクションで驚くぬらりひょん先生に笑わせていただきました。
 なんでか審判の役についていた赤舌。・・・あれからこの現代で普通にやってたようです;。
 しかしそろいもそろって汚い手を使う卑劣なレース参加者たち(^^;)。鬼太郎さんだけは違うと信じてたのに、しまいにはバックベアード(アメリカ代表)の車に 鋼鉄の下駄 をぶつけてゴールを阻止しようとする鬼太郎さん(笑)。親父の「正々堂々戦うんじゃぞ」発言に「はい、父さん!」と答えていたあなたはどこへ!?   あと、ついに「もめん」呼ばわりされ、「TV中継車」とまでされた一反木綿が愛しかった。


   第50話 妖怪海座頭の怒り 

 舞台は穏やかな瀬戸内海の島々。争っていた隣りあう島の漁船同士が船幽霊によって沈められた事件から、鬼太郎さんが呼ばれます。
 源平合戦の起こった壇ノ浦の海に、現れたのは海座頭。歴史を学ぶ子供たちに、武士たちの怨念の強さ、戦いを繰り返す人間のおろかさを見せつけ、また静かに海面へと消えていく。
 「過去があり、現在があり、未来がある」 こと。過去を振り返り、語り継ぐことの大切さを諭して。
 「また忘れるようなことがあれば、わしは再び現れる
 海座頭の現れない現在に、果たして今はなっているでしょうか。。。

 『 画図百鬼夜行 』に描かれた海座頭にも石燕の解説はありません。海面に立つ琵琶法師の姿、近くに見える船の先。 その姿からアニメでは源平合戦を語り継ぐ発想が出てきたんでしょうかね。
 海は穏やかな面と恐ろしい面を併せ持っています。何もない広大な海の上で人間は無力なもの。特に先がよく見えない霧の中や、真っ暗な夜の海で、何かが起こるかもしれない恐怖。 そんなところから海に出る妖怪たちは生まれたのかなと思います。


   第49話 妖怪殺人事件おんもらき 

 その強引なタイトルのつけ方のセンスが好きです。光ってます。
 伊豆の洋館、密室で花嫁が殺される、おんもらき・・・京極夏彦氏の『 陰摩羅鬼の瑕 』を思い浮かべてしまったのは多分きっと私だけ。
 ユメコちゃんのおじにあたる伊集院家の伊豆の別荘に招待された鬼太郎さん。翌朝、伊集院の婚約者ルリ子の死体が発見された。 嘆き悲しむ伊集院、何か隠しているようなお手伝いさんたち、怪しい宿泊者(←鬼太郎とか)・・・さあ、犯人は一体、誰なのか!?  コロンボ似のやっつけ刑事の理不尽な推理が冴え渡らない!  ・・・といったあらすじ。
 犯人は、死体にのりうつった妖怪・陰摩羅鬼。彼女は元々 生きてなかったというすごい真実だった;。
 陰摩羅鬼は新しい死体の気が変じた妖怪とされ、黒い鶴のようで、甲高い声で鳴くといわれています。
 それにしても、「鍵穴から自由に入れる目玉親父が犯人だっ」ってなかなか斬新な展開だと思う。


   第48話 妖怪いやみ 

 抱腹絶倒、ピンクオーラ漂うギャグな回。
 すげー話だ。ぶっとびました(−−)。変なとこが多すぎて何からつっこんだらいいのか;。
 赤い襦袢にピンクの着物、一見若い女の格好のじいさんである妖怪いやみのキャラは オカマ。 飛び交う投げキッス、うっふんオホホと乱れる言語、操る妖術「色気」を吹きかける奴の別名は「エロモドキ」(親父の談)。 ねずみ男に執拗に狙われ、惑わされた鬼太郎にまでセクハラを受ける、一番の被害者ユメコちゃん。「どうかしてる、まともじゃないわ!」・・・まったくです。
 アタシ妬けちゃうわのセリフとともに、若者たちの楽しむ心を奪っていくいやみ。 何をしても楽しくない、生きる気力がない・・・そんな若者とはまさに、ニート!? 現代に生きる妖怪がテーマの第三部。20年後の現代社会風刺までもおりまぜるなんて、 ミラクル!!(違うかもしれない)
 見所は、「あんたが鬼太郎ちゃんね、カワイイv」攻撃に、「きっ、鬼太郎だ」と動揺する鬼太郎ちゃん(笑)
 あと ぬりかべがしゃべったのにちょっと驚いた。「ぬ〜り〜か〜べ〜」以外も言えたのね、ぬりかべ。
 窮鼠猫をかむ、怒ったユメコちゃんにしばかれ、倒れながらも「しやわせ」とつぶやくねずみ男。合言葉は 恋の勝利者 で。あ〜、強烈だった;。 ナイスキャラいやみはぜひ鬼太郎ファミリーに入ってほしかったですね(ヤメレ)。

 ここでちょっと妖怪の話に走らせていただくと、いやみとは「否哉〔いやや〕」という名前で『今昔百鬼拾遺』に描かれている妖怪です。 たおやかな着物姿の若い女性らしき後姿・・・しかし、水面に映るその顔は目じりのたれた老人、という妖怪で、名前の由来以外、何も説明がありません。
 どういった妖怪なのかは、見る側にゆだねられてしまう訳です。事柄があって、姿形を想像するのではなく、姿形から 事柄を考える、逆バージョンの、実に妖怪らしい妖怪です、ね。
 つまり、何が言いたいかとゆーと、オカマキャラでも間違ってないかもしれないという・・(えぇ)


   第47話 妖怪のびあがりと吸血木 

 冒頭からどこのメロドラマかと…。
 交際を反対されて駆け落ちしようとした松代と杉作。しかしその途中で松代は赤い木になってしまう・・・というなかなか怖い話。 しかし本当に怖いのは、木に姿を変えてしまった松代のそばで「僕たちは今幸せなんだ」とのたまう杉作でしょうか。 「僕も木になって松代さんと100年も200年も生き続けるんだ」・・・って、どこの文学界の倒錯シタ人物デスカ?
 鬼太郎さんがじわじわと木に変えられていくさまが子供心に印象に残っています。元の姿に戻った鬼太郎が、親父を肩に乗せ、交わしたアイコンタクト(?)がなんか 父子愛を感じて良かった。 原作に、親は子が木になっても生きていればうれしいものだ、みたいな台詞があって、それも好きだった。
 のびあがりとは、見上げ入道と同類のような妖怪だけど、この話に出てくるのは違うもののようです。吸血木は、人の生き血を吸う樹木子〔じゅぼっこ〕のような ものでしょうか。何にしろ、人が血の通う木になるという発想は怖い、と思う。


   第46話 妖怪大統領こうもり猫 

 こうもり猫といえば悪魔くん!(もういい) だけど、こうもり猫が何かはよく知らない;。
 あらすじ → 外国妖怪の大統領選挙にやぶれ、国外追放になったこうもり猫が、日本にやってきて地獄の葬頭河婆〔そうずかばばあ〕 と一緒に、玉手箱を手に入れて世界征服をしようとする・・・(よくわからん;)。  それを阻止しようとした鬼太郎ファミリーが老人にされてしまう、なんかスゴい話です(投げた)。
 砂かけ婆と児泣き爺がさらによぼよぼに! 思うに、彼らは生まれた時から「婆」「爺」という思念であり、 実際に年老いる現象とは別物である訳で・・・ああ、よくわからなくなってきた。





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